こんにちは、NUSSIです。

宮崎駿監督の『風立ちぬ」は、ジブリ作品の中でも人気がある作品ですよね。
一方でこの作品は、1930年代の日本が舞台で、主人公が寡黙な役で背景の説明が少ないせいか、見終わった後で、あれはどういう意味だったの?考える人も多いとか。
そこで今回は作中の中でも謎が多いカストルプの正体に注目しました。
この記事では、
- カストルプ がスパイと推測される理由は
- スカトルプの実在のモデル
- スカトルプは誰に追われていたのか?
についてまとめました。
風立ちぬでスカトルプさんが弾いていたピアノの曲の記事はこちら
カストルプは主人公の堀越二郎が菜穂子と再会し、交際を始めるキューピット役ですが、その後は作中でスパイと思われる行動が見えます。
『熱心に新聞を読んでいる』
新聞を読むのは普通のことですが、ドイツ人が熱心に日本の新聞を読むとなると何かの情報を収集している感じがしますよね。
『日本やナチスドイツに批判的』
当時、自国について批判をするのは相当勇気がいることだったのはないでしょうか?もしカストルプがドイツ人ではなく他国のスパイと仮定したら、その発言は自然ですよね。
『タバコが支給されている?』

カストルプの正体について、作品の中での明言はありませんが、「ドイツのタバコ、これ最後」と言った後、また同じ銘柄のタバコを吸っています。
どこかから支給されている、と考えるのが自然ですよね。
これらのことからカストルプはスパイだと言われています。
スカトルプの実在のモデルはいるの?
スカトルプは3人の人物をまとめたのでは?と言われています。実在したスパイの「リヒャルト・ゾルゲ」をモデルにしたのはないかと言われています。
一人目は、実在したスパイの「リヒャルト・ゾルゲ」です。

リヒャルト・ゾルゲは、ロシアとドイツ人のハーフでソビエト連邦のスパイ。1933年から1941年にかけてゾルゲ諜報団を組織して日本で諜報活動を行い、ドイツと日本の対ソ参戦の可能性などの調査に従事したゾルゲ事件の首謀者。
Wikipedia
ゾルゲはドイツ人になりすましたロシアのスパイで、ドイツ軍からも信頼を得て日本で諜報活動を行い、ロシアへ情報を流していた優秀なスパイでした。
カストルプが新聞を読んだり、ドイツや日本を批判するのもロシアのスパイだとする納得できますよね。
二人目はスティーブンアルバートさん。
この方は長らくジブリで働いた方で、家庭の事情でジブリを退職されます。

宮崎駿とスティーブン・アルパート
ジブリの世界
2011年の暮れまで、スタジオジブリでスティーブン・アルパートさんという方が働いていた。海外事業部に所属し、宮崎監督が海外に行く際には必ずアテンドし、いつしか仕事を超えた友人になっていた。家庭の事情でアメリカに帰国するアルパートさんに似顔絵をプレゼントしようと、宮崎監督は何度も挑戦するが、帰国当日までに満足のいく似顔絵を描くことができないままアルパートさんの帰国の日となった。そして次の年。「風立ちぬ」の絵コンテの中にアルパートさんが描かれていた。
描けなかった似顔絵を絵コンテに登場させた宮崎監督。そしてそのキャラクターに声を吹き込むためだけにアメリカから来日したアルパートさん。2人の友情が作り上げたキャラクターは二郎と菜穂子を結ぶキューピット役を担い、そして世情を表現する重要な役となって完成した。
スパイからは想像できない裏事情ですよね。ただ1番大事なのがスパイではなく二郎と菜穂子のキューピッドという役割だとすると納得できますよね。
「魔の山」の主人公ハンス・カストルプ
ドイツの作家トーマス・マンの作品に「魔の山」という小説があります。
主人公のハンス・カストルプ青年が、結核に侵された従兄弟を訪ねて、
スイスのアルプス山脈のサナトリウムにを訪れる。しかし、彼自身が結核にかかっていることがわかり、その後7年にわたってそこに滞在します。
カストルプは、軽井沢を魔の山に例え、二郎に対し「ここは【魔の山】いやな事、みんな忘れる」と言います。
魔の山という小説には、「魔」だったり「夢」と「現実」という対比だったり、風立ちぬのテーマらしきものも入ってるので、カストルプの名前を使ったのでないでしょうか。
カストルプは誰に追われていたのか?
二郎はカストルプと別れた後、特高に追われます。
これまでカストルプがスパイではという話をしてきましたが、彼と接触する二郎もスパイではと疑われたことが、特高に追われた理由です。
ではカストルプは誰に追われていたのか?
カストルプがロシアのスパイでは?という疑惑を持った特高か、ドイツ軍から追われたと考えるられます。
まとめ
今回の記事では、カストルプがスパイと推測される理由、カストルプの実在のモデル、カストルプが誰に追われていたのか?についてまとめました。
平成の代表作と言われるだけあり、知れば知るほど奥が深い作品なのでまた見たいと思います。